電脳文芸日記 3


 もうすぐ『ワードを捨ててエディタを使おう』(SCC)という、怖ろしいタイトルの本が発売されます。
 2月はこれにかかりきりで、相当デジタルストレスを溜め込んでしまいました。
 CD-ROMが付属していて、3年前に出した『鉛筆代わりのパソコン術』(サイビズ)同様、ライセンス付きのQXエディタなどが入っています。
 今回はソフトだけでなく、QXユーザーによるオンラインマニュアルやマクロ集なども付属しているのですが、その中に、QTViewというテキストビューワによる縦書き文書の閲覧コーナーというのがあります。サンプル(?)がなんと、三島賞作家の佐伯一麦さんの随筆。QXのユーザーに、佐伯さんの友人がいたことから、こんなことまで実現しました。僕も小説作品をいくつかQTViewで閲覧できるページを作りました。

 このCD-ROMを作っているうちに、文芸作品のデジタル配信が身近なものに感じられてきました。
 まずは形からというわけで、bungei.netというドメインを取得しました。こんなドメインがまだ空いているなんてびっくりです。当初は「デジタル文芸館」を略してd-bun.comというのを取ろうとしたんですが、試しにbungei.netを確認したら空いていて、さっさと取得してしまいました。
 ana.aya.ccも、この「文藝ネット」に含まれる形で整備していくつもりです。

 作品のデジタル配信には、いくつかの壁があります。

  1.  不法コピーが怖い。
  2.  ディスプレイで縦書き表示をさせる仕組みをどうするか。
  3.  ディスプレイで長文を読むのは疲れのではないか。
  4.  有料にした場合、料金の回収はどうするか。
  5.  出版社との共存をどうするか。

 e-NOVELSなどは、PDFファイル(AdobeのAcrobatで読む)で配信しています。これだと、再編集などはやりにくくなり、作家側はある程度は安心できます。ただ、PDFは背景が白なので、ディスプレイで読むには刺激が強すぎるという感じがします。ディスプレイ表示の場合は、暗色の背景に明色の文字が目に優しく、読みやすいのです。
 PDFファイルは、パスワードをかけて保存することができるので、シェアテキストとしての配布には向いています。
 欠点は、ファイルがでかくなること。Acrobatを持っていないと読めないこと。小さい表示だと非常に読みづらいことでしょう。印刷するにはいいんですが。

 QTViewを使うと、かなり読みやすい画面が設計できます。背景や文字も好きな色にできますから、ディスプレイで読むには最適です。ただ、Windowsのソフトなので、MacやLINUXユーザーを切り捨てなければいけません。初心者には、最初のセットアップを面倒に感じる人もいるでしょう。作家にとっては、テキストベースでの配信ということに抵抗があります。

 他に、JAVAアプレットを使ってWEBブラウザに縦書き表示させるという方法も試しましたが、かなり厳しかったです。

 というわけで、「電脳文芸館」改め「文藝ネット」の第1回配信は、QTView版、HTML(JAVAによる縦書き)版、PDF版の3つを作ってみました。実験配信開始していますので、どうぞお試しください。  

 (00/03/06 鐸木能光・記)
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 今日の放哉

 

 尾崎放哉


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